2015-10-24

・田園風景かと思ったらすぐトンネルに入り、抜けると工場が林立している風景がバーと広がった。私は床以外ガラス張りになっている電車にゆられていた。あまり人は乗っていなくって、余裕で座っていた。

・私は友達とでかける予定だった。なんか楽しいことができる場所に行くために2人で並んで座って電車に揺られていた。しかしなぜかお互い会話することはなかった。

・電車から見える風景は田舎とも都会とも言えない。とにかく晴れていて日差しが暖かい。眠たくなるけどなんとなくそれよりも景色を見たいなっていう気持ちになった。工場もたくさん見えた。長いトンネルにはいり、数分後に抜けるときれいな青い海が広がっていた。空も青かったし雲はすこしだけ浮いていた。この電車は入り組んだ海岸を走っているらしかった。なんとなく見たことあるような、見たことないような風景。どこに向かっているんだろうと思った。相変わらず2人の間に会話はない。

・随分長い時間乗った。知らないうちに電車の中は人が多くなっており外の景色が十分に見えなくなったので、なんとなく目をつぶっていた。電車が減速し、目的地に着いたらしい。プシューと電車のドアが開くと風がぶわっと入ってきて私の髪の毛がなびいた。そこには都会の風景、都会の空気があった。コンクリートだった。知らない土地だった。

・この駅で乗客の大半は降りるらしかった。私も人の波に押し出されるようにして電車から降りた。友達はもうすでにそのとき消えちゃっていた。けれど私はそうなるだろうとわかっていた。友達は私についてこないということ。それは電車に乗る前からなんとなく気付いていた。